耳栓

小説を中心にBL本の感想を書くよ

夕映月子「京恋路上ル下ル」甘味メモ

 夕映月子先生「京恋路上ル下ル」に出てきた食べ物のメモです。

出町ふたば

くず餅/豆餅

物語の中で最初に出てくる甘味。伊織のいれるほうじ茶が美味しいこと、くず餅を口元へ運ぶ仕草が指先まで美しいことが颯馬の視点で語られていて、ベタ惚れでかわいいのです…。

地下1階 | フロアガイド | ジェイアール京都伊勢丹 | 店舗情報

宝泉堂

下鴨神社の納涼古本まつりで、伊織がいない間にバイトの颯馬が同業者からもらったもの。

京都の和菓子/あずき処「宝泉堂」

京菓子司 満月

阿闍梨

同じく、古本まつりでもらったもの。このバイトのくだりは、タイプじゃないと言いつつも、育ちが良く卑屈なところがない颯馬の魅力を再確認しちゃっている伊織がかわいいのです。

阿闍梨餅本舗 京菓子司 -満月-

塩芳軒

こなし

一旦顔を合わせづらくなった後、留蔵の囲碁の相手するためにまたお店に出入りするようになった颯馬が、太一に頭を下げて教えてもらった伊織の好物のひとつ。「こなし」という商品名はありませんでしたが、wikiで調べた「こなし」から考えると「季節の蒸菓子」のことかなと思います。

京都・西陣の御菓子司「塩芳軒」

甘泉堂

栗蒸し羊羹

これも、太一に聞いた伊織の好物のひとつ。栗蒸し羊羹が販売されているのは、10月~3月の季節限定らしいです。後のページで「甘水堂のさんの水ようかん」が出てくるのですが、甘泉堂の水羊羹のことなんじゃないかな…と思っています。(4月~9月は水羊羹なのだそう)

甘泉堂 | 祇園商店街振興組合

オ・グルニエ・ドール

りんごタルト

こちらも太一に聞いた伊織の好物。オ・グルニエ・ドールさんは2018年に閉店してしまったようで、りんごタルトは息子さんが同じ場所ではじめた「ナンポルトクワ」さんで食べられるようです。

N’importe quoi ナンポルトクワ

嘯月

雪餅

留蔵の病院に颯馬が持ってきた雪餅。事前に予約を入れてお店に受け取りに行くスタイルらしく、しかも雪餅は12月~2月中旬の限定販売とのこと。前日までに電話予約して、家庭教師のバイトまでの少しの時間に取りに行ってお見舞いにくるという…。「嘯月さんの雪餅。伊織さん、好きだろ」の言葉が沁みます…。

“作りたての味”にこだわる完全予約制の上生菓子のお店「嘯月(しょうげつ)」 - ippin(イッピン)

和久傳

西湖

ラストで、伊織さんが出かける颯馬に「和久傳さんの西湖もろてん」と言っています。写真で見ても説明を読んでも、西湖だけは味も食感もイメージができなかったんですよね。気になります。

和久傳 WAKUDEN

西湖・菓子/れんこん菓子 西湖|お取り寄せオンライン通販

 

 

「恋路の行方」で颯馬が「かき氷食べたくなっちゃって。伊織さんと、玉園さんまで行ってきたいなーって」とかわいくおねだりした「玉園」さん。「茶寮ぎょくえん」さんがかき氷で有名だったようなのですが、2011年に閉店してしまっているんですよね…。本の発売が2013年なので、「玉園」さんだけはどちらのお店かわかりませんでした。

 

そういえば、颯馬が年越しに帰ってきたときに買ってきた「はなびら餅」もどこのお店のものかわからなかったですね…。このとき貢ぎ癖を指摘された颯馬の言い分が「だって伊織さん、甘いもの食べてるときだけ、やさしいから」なんですよ…。

物語中にこんなに甘味があふれているのは、やさしいしてほしい颯馬の心の表れでもあると思うと、本当にかわいいです。

夕映月子「京恋路上ル下ル」

京恋路上ル下ル (ディアプラス文庫)

京恋路上ル下ル (ディアプラス文庫)

 

 京町屋で古書店を営む伊織は、家庭を大切にする年上の男が好みだ。 だから大学生の颯馬に告白されても拒絶する。 己が失った家族の愛に恵まれた颯馬には、真っ当な恋をしてほしいから。けれど颯馬はいけず美人の伊織に焦がれ、追い続ける。 伊織には幸せな恋をしてほしいし、自分がその相手に不足だとは思わないのだ。 交わらぬ恋の道で、ふと大人びてきた颯馬に伊織が気づく時……? 

京の街ではんなり紡がれる恋双紙♡

 

2013年に発売されたこちらが今回電子化されるということで、夕映先生が呟いてくださっていたので出会うことができました…!本当にありがたい…。

 

夕映月子先生 インタビュー 2013/11/05 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる

インタビューにある通り、受けの伊織が本当に魅力的なんですよね…。

 

わたしは元々美人に弱いのですが、伊織はゆったり柔らかい印象の京言葉に、立ち振る舞いは指先まで美しく、人気芸妓だった祖母ゆずりの美貌に、左目の下に泣きぼくろ、そしていけずなんですよ…!たまらない!こんなの好きに決まってるんだ…。

 

攻めの颯馬は、家族や周囲の人からの愛情を受け何不自由なく育ってきたからこその「受け入れられること」に馴れた無自覚の傲慢さがありつつ、それすらも魅力になる健やかで気持ちのいい子。伊織から見れば子どもですが、背伸びや無理をしすぎず自然体で、考え方も真っ当、何より一途に伊織を追い続けるところが最高でした。

 

京恋路上ル下ル

出会い〜付き合うようになるまでのお話。

 

ふたりが初めて出会ったのは、江戸風俗の研究者である里見先生(颯馬のお父さん)の研究室で、伊織が大学生、颯馬が小学生のときなのですが、この出会いのシーンがね、めちゃくちゃいいのです。

この頃からいけず美人の伊織と、実はこの出会いで性に目覚めてしまった颯馬…!もうしょうがない!君は伊織が性癖ど真ん中なんだよね!!!という……。そりゃ再会したらまた好きになっちゃうに決まってるよね…。

 

伊織にしてみても、里見先生を好きだったのは家族を大切にしている人だったからなわけで。年下なんてタイプじゃないと言いつつも、伊織にとっての理想の家庭で愛情豊かに育ってきた颯馬を好ましく思わないわけがないんですよね…!

惹かれ合うに決まってるじゃん!!!

 

わざとプライドを傷付けるようなことを言って遠ざけようとしては悪者になりきれず、のびのび育ってきた颯馬をこんな風に大人にしたかったわけじゃないと心を痛め、それでも追い続ける颯馬からじわじわ本気を知らしめられて、やっと恋心を自覚する伊織が本当にかわいかったです。

 

恋迷路入ル

やりたい盛り・二十歳の颯馬と、犬も食わない痴話喧嘩のお話。

 

グッときたのが、伊織がベッド(本文中では「房中」と書かれていたのでより最高だった)での主導権を握りたいタイプだということ!

騎乗位で快感をコントロールしてセックスを楽しむ、という意味でもいやらしくてめちゃくちゃいいのですが、コントロールできないこと=不測の事態に弱いというのは、不用意に心を動かされたくない=傷付きたくないからなんじゃないかなと思うんです。

「お友達」と割り切ったセックスを楽しむ一方で、好きになるのは家庭を大切にしている人=絶対に自分に靡かない相手なのも、はじめから手に入らないなら失って傷付くことがないからですよね…。

なので、ベッドでも全てを明け渡すことができない臆病な伊織と、もっと愛したい颯馬がちゃんと揉めるお話がだったのが、本当に本当に本当に好きでした…!乱れちゃう伊織、かわいいんだ…。

 

恋路の行方

颯馬の就活と、伊織を捨てた家族のお話。

 

付き合って2年半、ふたりが恋人同士としてめちゃくちゃ馴染んでる…!大学4年生になった颯馬は年上の恋人のお陰かますますいい男だし、伊織はかわいくなってるぞ…!

 

自分が京都から動けない以上、颯馬を縛るようなことは言えず、内心はどこに就職するつもりなのかヤキモキしている伊織と、転勤すらも嫌で、お店から5分の京都市役所に就職しようとしている颯馬。最高じゃないですか???

伊織の気持ちをほぼ正確に感じ取っているのに、「そばにいてほしい」と言わせたい颯馬がまた……。かわいいふたりですよね…。

 

そして、伊織を捨てた家族が現れるも、きっちり支えになる颯馬が本当にかっこよかったです……。

 

いつの頃からか、颯馬は伊織好みのキスばかりするようになった。食べ物や趣味と同じだ。伊織の反応を注意深くうかがって、好きなやり方ばかりを集めて、覚えて。年上の男のような包容力や鷹揚さはないが、その代わり健気なほど一生懸命にすべてを注ぎこんで伊織を甘やかす。

 

颯馬が惜しまず注いできた愛情が伊織を満たし、支えているから、自分を捨てた家族と対峙することができたんですよね…。

気持ちよく片がついたわけではないけれど、想い合うふたりならこの先どんなことが起こっても支え合っていけるんだろうなぁ…。ふたりが出会って、颯馬が伊織を好きになって、伊織が受け入れて自分の気持ちも認めて、ずっと一緒にいて、これからもずっと一緒にいるふたりでよかった…。

素敵なおじさんになった颯馬が、伊織に喜ばれる未来でありますように!

 

そしてわたしは、まんまと京都に行きたくなってしまいました!

201908

8月に買った小説は17冊、漫画は5冊でした。 

小説 

 ブライト・プリズン最新刊。ついに教祖戦の決着がついたので、ここらでシリーズを一気読みしておさらいしたいのですが、最初は紙で、途中から電子で買っているのでなかなか読み返せません…。

悩ましい彼 美しい彼3 (キャラ文庫)

悩ましい彼 美しい彼3 (キャラ文庫)

 

 「憎らしい彼」を読んで、平良が清居を崇拝してしまっている以上この二人が対等に心を通わせることは一生ないのでは…?と、この先も振り回されるであろう清居を思ってしんどくなってしまって、正直この「悩ましい彼」も読むかどうか迷ったのですが、三次元のアイドルヲタとしても身につまされる部分があり、本当に読んでよかったです。

外見だけ、話題性だけで中身はない、天才ではないと繰り返し思い知らされ、もがき苦しみながらも、その先にあるかもしれない「より良い自分」に向かって泥臭く努力する清居がかっこよかったです。

 アラビアン~のシリーズ。「アラビアン・プロポーズ」の「夜空の星にお前を自慢したい」というセリフが、最高すぎて震えました。殿堂入り。これからどんな攻めが理想か聞かれたときは「夜空の星に受けを自慢したい人」と答えたい!

ふれるだけじゃたりない (ディアプラス文庫)

ふれるだけじゃたりない (ディアプラス文庫)

 
心を半分残したままでいる(3) (ディアプラス文庫)

心を半分残したままでいる(3) (ディアプラス文庫)

 

 「ふれるだけじゃたりない」「心を半分残したままでいる(3)」は紙で買って気に入ったので電子でも買いました。

呪禁師百鬼静の誘惑 (プラチナ文庫)

呪禁師百鬼静の誘惑 (プラチナ文庫)

 
呪禁師百鬼静の惑乱 (プラチナ文庫)

呪禁師百鬼静の惑乱 (プラチナ文庫)

 
秘密のオメガとアルファの貴公子――契りの一夜 (ラルーナ文庫)

秘密のオメガとアルファの貴公子――契りの一夜 (ラルーナ文庫)

 

 小中大豆先生続き。呪禁術師百鬼静~は新作のほうを紙で、それを読むために前作を電子で買いました。「秘密のオメガ~」は、攻めがJと呼ばれているのがちょっとおもしろかったです。(Jと呼ばれている有名な日本人をいちいち思い出してしまって)

続・仁義なき嫁17 ?短編集4? (スイート蜜ラブBL文庫)

続・仁義なき嫁17 ?短編集4? (スイート蜜ラブBL文庫)

 
刑事に口説きの純愛 (ラルーナ文庫)

刑事に口説きの純愛 (ラルーナ文庫)

 
白鶴組に、花嫁さんの恋返し。 (ラルーナ文庫)

白鶴組に、花嫁さんの恋返し。 (ラルーナ文庫)

 

 高月紅葉先生も、たくさん。「刑事に~」シリーズは、小山田あみ先生が描く周平・佐和紀が見られるのが本当にありがたい…。「春淫狩り~」はリンクが貼れなかったのですが、番外編を買いました。

オメガの寵妃は甘い閨で孕む (CROSS NOVELS)

オメガの寵妃は甘い閨で孕む (CROSS NOVELS)

 

 ぼんやり読んだからなのか、発情期のあれこれや身分差などスッと頭に入ってこない部分が多かったです…。いつか読み直そう…。

誘惑フェロモン系ダーリン (ダリア文庫)

誘惑フェロモン系ダーリン (ダリア文庫)

 

 「恋のゴールがわかりません!」きっかけで気になった切江真琴先生の商業作品追っかけ!切江先生の攻めは、受けの言動・考え方をまるごと「かわいい」と愛でているところが好きです!

舞台裏のシンデレラ (ディアプラス文庫)

舞台裏のシンデレラ (ディアプラス文庫)

 

 一度読んだきりになっている本を読み返そう!と思い立って、前作「人魚姫のハイヒール」を読み返したばかりだったので、美しい瀬戸子と瀬戸子にデレデレしている加賀も出てきて楽しかった!

複雑で臆病で繊細なカレンちゃんを、きちんとわかってまるごと愛してくれる時生くんがよかったです!

漫画

DragoStarPlayer ROMEO7 (ドルチェシリーズ)

DragoStarPlayer ROMEO7 (ドルチェシリーズ)

 
ストレイバレットベイベー特別編 (ハニーミルクコミックス)
 
背伸びをして届くまで (GUSH COMICS)

背伸びをして届くまで (GUSH COMICS)

 
あまあまに染まる (あすかコミックスCL-DX)

あまあまに染まる (あすかコミックスCL-DX)

 

 

 

 

 

はじめに

このブログについて

買った・読んだBL本の記録と、感想を書きとめておくためのブログです。

ふと自分以外の感想が知りたくなったときに、好みが似ている方の次の一冊選びに、どこかで誰かのお役に立てれば幸いですが、ほぼ未来の自分の暇つぶし用に書いています。

 

わたしについて

物語の世界に自分を介在させず気楽に読めることがありがたくて、BL小説の世界で毎日癒されています。

 

電子書籍派ですが最近はお気に入りの作家さんの新刊を紙で買うことも。特典ペーパーや出版社のフェアなどの情報には疎いです。

 

はじめは異世界トリップなど特殊な設定のほうが読みやすかったのですが、最近は特殊設定ではないお話に惹かれます。

ハイスペックで包容力・忍耐力のある攻めと、芯が強く健気で美人な受けの組み合わせが心底好き。攻めは最低でも社長以上じゃないと嫌だ!と言いつつ結構何でも読みます。

 

挿絵で好きなのは、yoco先生、笠井あゆみ先生、小山田あみ先生。

 

近親相姦、教師×生徒(高校生)、決まった女性(妻や恋人)との描写が多いものは読めないです。表紙絵の受けが女の子にしか見えないものと、お子さまが出張ってきそうなものも避けています。